令和2年3月31日。みさき公園が閉園する。みさき公園は大阪にある貴重な普通の遊園地だった。
団塊ジュニア世代が幼少の頃は大阪府内のあちこちに家族連れが楽しめる遊園地があった。エキスポランド、さやま遊園、PLランド、玉手山遊園、ひらかたパーク。
ディズニーランドやUSJと言った大型テーマパークの進出と少子化の影響を受けて「普通の遊園地」は1つ、また1つと駆逐されてゆき、大阪に残っている遊園地はひらかたパークとみさき公園の2つとなってしまった。
みさき公園は大阪府内の他の遊園地と少しだけ異なる特徴があって、遊園地の遊具だけでなく、動物園も併設されているのが売りだった。動物園で動物を見学して、イルカショーを見て、遊具で遊んで…と子どもにとっては、お子様ランチ的なパーフェクトな遊園地だったのだ。
そして今日、みさき公園が閉園してしまう。
みさき公園は結婚してから家族で2回ほど遊びに行った。1度目は娘が幼稚園の頃。2度目は「イルカと一緒に泳ぎたい」と言う娘の夢を叶えるために。みさき公園は私達家族にとって素敵な思い出のある場所なのだ。
娘はこの春、中学生。みさき公園の閉園を知った私と夫は「娘はもう遊園地を喜ぶ年頃じゃないけど、春休み中に家族で遊びに行こう。娘にとって子ども時代の区切りにもなるだろうし」なんて計画を立てていた。
……ところが、このコロナ騒動である。
しばらく休園していたみさき公園は3月24日から営業を再開した。だけど、外出自粛が求められている今、私達家族にみさき公園へ行く勇気は無い。
オリンピックも延期するんだから閉園も延期すれば良いのに。
…って私も大人なの跡地の活用問題とか譲渡問題があるだろうから閉園を延期するのは無理だってことくらい分かっている。だけど大阪府民から愛された遊園地がこんなひっそりと終わっていくなんて寂し過ぎるじゃないか。
さようならみさき公園。ありがとうみさき公園。
残念でたまらないけれど、みさき公園のことは絶対に忘れない。遠い未来…コロナウィルスに振り回された日々のことはテレビの特番などで特集されることがあるだろうけど、その時は必ずコロナウィルスのどさくさでひっそりと終わっていったみさき公園のことを思い出すに違いない。
……コロナの馬鹿。もう知らない。