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自分の物は自分で捨てよう!

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先日。図書館でなんとなく顔に見覚えのある高齢の女性から声をかけられた。

女性の方からこちらに来てくれて、ご挨拶をしたところ以前、実母がお世話になっていた個人病院の奥様だった。その病院は先生がお亡くなりになって閉院したのだけれど、奥様はお元気に暮らしておられるらしく「お母様はお元気ですか?」と聞かれたので実母の近況を伝えた。

軽く世間話をした後で奥様が突然「実はお母様に貰って戴きたい物があるんです」と言い出した。それは病院の待合室に飾ってあった絵画で、病院に通っていた当時に母が「素敵な絵ですね」と褒めたのだそうな。

「今、色々な物を処分しているんですが娘達も絵なんて飾るところが無いと言うので、よろしければ差し上げたいのですが」とのこと。

私の独断では決めかねるので、奥様の連絡先を聞いて実母に聞いてみたところ「私もいらない」とのこと。「残念ですが、うちも飾る場所がなくて…」と丁重ににお断りさせて戴いた。

世の中には義母のように捨てられない人間も多いけれど、昨今は断捨離ブームのおかげで「死ぬまでに身の回りを整理しよう」と奮起する高齢者がやたら多い。

身の回りを整理するのは良いことだと思うのだけど、自分の使わなくなった物を周囲に押し付けてくるのは止めて戴きたい。私は声を大にして言いたい。

「自分の物は自分で捨てよう!」と。

自分にとってどんなに大切な物だったしても、当時の購入価格がどんなに高かったとしても、自分が手放そうと思って時点で他人にとっては「いらないもの」でしかないのだ。

私は昔から子どもと動物と高齢者にモテるタイプの人間なので、いままで散々色々な物を押し付けられてきた。若い頃は「いらないけど、せっかく貰ったし…」と貰ったものを押入れに入れてたけれど、最近は「あの人が断ち切れない想いとゴミを捨てるのが私の役目なのだ」割り切って、その日のうちにゴミ袋に入れるようになった。

自分の物を自分で捨てることの出来ない人は高齢者だけではないらしく、私と同世代の女達も「これ…けっこう良い物なんだけど…」と物を押し付けててきたがるから困ったものだ。

私は夫からダン・シャーリーと呼ばれるほど、容赦なく物を捨てるタイプではあるけれど、なんでもかんでも捨ててしまえとは思っていない。

例えば子どもが絶対に使うもの…ベビーベッドやベビーカー、ほとんど傷んでいない服、綺麗に使った事が前提の幼稚園の鞄や制服や体操服などはいくらでも人に差し上げたい。

実際、私も娘のヘビーベッドやベビーカーを知人から戴いたし、私も人に差し上げている。

「使わなくなった物」の中でも子どもの物は例外中の例外。

それ以外の物は自分で売りに行くなり、捨てるなりしなきゃ駄目だと思う。押し付けられる人間は本当に迷惑なのだ。今まで散々、押し付けられてきた私が言うのだから間違いない。

断捨離の考え方は素晴らしいと思うのだけど、断捨離を提唱した山下英子さんが断捨離の考え方の中に「自分の物は自分で捨てる」と言う項目を付け加えてくれなかった事が悔やまれる。

しかし…。私はこれから先も他人からいらない物を押し付けられる人生を送るのだと思う。安心してください。右から左へと捨てて差し上げますから。

でも本当は人の断ち切れない想い出や物を捨てる役目は真っ平御免だ。自分の物は自分で捨てて戴きたいと切に願う。

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日記
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