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昔のヲタクは飢えていた。

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かつて一世を風靡したサッカー漫画『キャプテン翼』が15年ぶりに再アニメ化される事になった。

『キャプテン翼』は私が小学生の時に流行した。今まで野球ばっかりしていた男子達が急にサッカーボールを追いかけるようになり、運動場に寝っ転がってオーバーヘッドキックの真似事をする男子が多数出没。

当時は結構な盛り上がりで、現在活躍しているJリーガー達の中にも「キャプテン翼に憧れてサッカーをはじめました」と公言する人は少なくない。

それくらい『キャプテン翼』は日本のサッカー界に貢献したのだけれど『キャプテン翼』はヲタク業界にも深く貢献した作品だった。

そう。私が初めて買った同人誌はキャプテン翼だった。

当時はまだヲタク業界は今ほど華やかではなく、同人誌を買いたいとなればコミケに行くか、同人誌を作っているサークルさんから通販するしかなかった。

当時、私はまだコミケの存在を知らず、同人誌サークルさんから通販して手に入れたのだけど、当時の通販は郵便局で小為替を買って申し込むシステム。

郵便局の窓口で「こためかえ…ってのを下さい!」と言って、窓口のお姉さんから色々と親切に教えてもらったのは懐かしい思い出。

それにしても、そんな年頃の子どもが右も左も分からない状態で郵便局で為替を買って通販してもらっていたのだと思うと驚かされる。

同人誌だって今のように簡単には手に入らなかったのに、それでもどうにかこうにかして手に入れていたのだ。

そう…昔のヲタクは飢えていたのだ。周囲に同志もおらず、欲しい物はガッツと努力で手に入れるしかなかった。

飢えは情熱となって迸り、何だって出来たのだと思う。

成長して行動範囲が広がり「イベント」と言うとろこへ行けば好みの同人誌がわんさか売っていると言う事実を知り、イベントまで行くなくても同人誌専門店に行けばそこそこ手に入るんだと分かった時の喜びったらなかった。

しかし、それもこれも30年以上も前の話。ヲタクにとって良い時代になったなぁ…とシミジミ思う。

今も当時のような状況だったら、私はヲタクを続けていられなかったと思う。

特にインターネットの登場は大きかった。振り返ってみるとビックリするけど、私が最初に触れた「知らない人との通信」はワープロから繋いだニフティサーブだった。

ワープロでパソコン通信が出来る頃には、パソコンも普及しはじめていたけれど、パソコンは高くて変えなかったのでワープロで妥協していたのだ。

『キャプテン翼』再アニメ化で当時の事を色々と思い出してしまった。

新しいアニメはチェックするとは思うものの、当時の情熱は戻ってこないだろう。あの情熱は猛烈な飢えとセットだった。懐かしくは思うものの、断然今の方がいいな…とシミジミ思う。

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