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叫び 畠山丑雄 新潮社

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『叫び』は第174回芥川龍之介賞受賞作。ものすごく芥川賞らしい作品を読んだ気がする。実のところ読んでみたけど全く理解出来なかった。

「じゃあ、面白くなかったの?」と言われたら「そうでもない」としか言えない。芥川賞受賞作にしては平易な文章でサクサク読めたし、ところどころ共感する部分もあったりした。

それなのに作者の意図するところが全く掴めなかった。私の理解力が足りないからなのかもしれない。どう捉えたら良いのか困惑させられた作品だった。

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 叫び

ザックリとこんな内容
  • 37歳の早野ひかるは荒んだ日々の中、「先生」と名乗る男と出会い、銅鐸作りと大阪府茨木市の郷土史を学んていた。
  • 茨木市はかつて阿片製造で栄えた土地だった。郷土史を調べる中で早野は満州で阿片畑を拓いた青年、川又の存在を知る。
  •  川又は「陛下への花束」として畑を拓き、幻の紀元2600年万博を夢見ていた。早野の心に無念が響く。
  • 令和と昭和の幻の万博が重なり早野は川又と対面し、戦争と暴力の上の封印された叫びが溢れ出す……

感想

『叫び』は大阪が舞台の物語で登場人物は漏れなく大阪弁を喋っている。吉本芸人が使うようなテレビ用の大阪弁ではなく実際に使われている大阪弁で。しかし実際に使われている大阪弁はあるものの、実のところちょっと古臭い感があった。現役の大阪人から言わせてもらうと「いやいや。そこまでゴリゴリの大阪弁を使う人って減りましたよね?」って印象を受けた。

そして『叫び』には先に行われた関西万博が登場する。関西万博に足を運んだ人ならリアリティを持って読むことが出来ると思うのだけど、そうじゃない人にとってはチンプンカンプンだと思う。作者、畠山丑雄はどうして関西万博にこだわったのか? 私にはイマイチよく分からなかった。

37歳、早野ひかるの職業は公務員。世の中的には勝ち組とも負け組にも属さない独身男性。だけど悪い女に引っ掛かって逃げられた過去を持つので世の中的には「チー牛」に分類されるタイプの男性だと思われる。作品を通して早野ひかるから人としての自信のなさが滲んでいる。一方、早野ひかるが慕う先生は生活保護受給者。とにもかくにも設定が濃い。

そして川又青年。大陸へ渡って罌粟の栽培に励んだ人なのだけど、川又青年は罌粟の畑の開墾を「陛下への花束」と表現する。

関西万博って世の中的には「右より」な思想の人達は大歓迎していたけれど、「左より」な思想の人は大反対していた印象がある。主人公の早野ひかるは新しい恋人と関西万博に行ってエンジョイしているのだけど、なんかこぅ…関西万博と天皇云々の話があまりもチグハグな印象を受けた。

畠山丑雄の頭の中ってどうなってるの? 何を主張したいの?

私には『叫び』の意図するところが全く理解できなかった。「読みやすいのに理解できない」と言う稀有な読書体験。この物語をどう捉えたら良いのか? 他の人の感想を読んでみたりもしたけれど、それでも全く分からない。誰でも良いから私に分かりやすく『叫び』について解説して欲しいとわりと本気で思っている。

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