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NHK『おはよう日本』から取材を受けた話。

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先日。NHKのニュース番組『おはよう日本』から私の好きな本(有吉佐和子の青い壺)について取材を受けました。大変光栄なことです。

しかし連絡を戴いた時は「やった~。これで私も有名人。ブログも流入増えてウハウハだぜ」と思うより先に「なんか面倒臭くて嫌だなぁ」って気持ちと「職場の人にブログの存在がバレたら社会人として死ぬな」って気持ちが先にきました。

このブログ。本の感想だけなら問題ないんですが、職場の悪口も書きまくっているので職場バレは流石にマズイ。

だけど夫と娘が私の背中を押してくれたので取材を受けることにしました。普通の主婦がNHKの取材を受ける機会なんて、そうそう無いことだし、そもそも自分の推し作家を広める活動ならヲタクとしてひと肌脱ぐべきだろう…と。

仕事のことを書いた日記は放送日前日からしばらく非公開にしてプロデューサーさんにはブログの存在については一切触れずに紹介して欲しいとお願いしました。

取材の目的は有吉佐和子『青い壺』が再ブレイクした理由を探る…みたいな感じ。

有吉佐和子は私の3大推し作家(遠藤周作・有吉佐和子・吉村昭)。有吉佐和子の作品を世に知らしめる活動に関与出来るのはありがたいことです。

せっかくの貴重な経験なので、その時のことを記録しておこうと思います。

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NHKは真摯で真面目

TV取材と言うとWEBにある経験談では「TV局なんてクソ。礼儀もなってないし上から目線で最悪」「取材なんて受けなきゃ良かった」みたいな話がワンサカでてきますが、私は取材を受けて良かったと思いました。他のTV局のことは知りませんがNHKはめちゃくちゃ真摯で真面目でした。

撮影までの流れはこんな感じ。

  1. メールでの取材依頼
  2. メールで何度かやりとり
  3. 電話取材
  4. ディレクターが我が家に来て直接取材(撮影は無し)
  5. 撮影日決定(メールや電話でやり取り)
  6. 撮影(ディレクター・音声・カメラ・車手配スタッフの4人で動いていた)
  7. 電話で撮影内容の確認
  8. 放送後、ディレクターからお礼の電話

ニュース番組内の1コーナーを作るのに、こんなに時間と手間をかけるものかと感心しました。そしてディレクターさんも他のスタッフさんも礼儀正しく好感が持てました。これはNHKだからなのかな?

撮影について

さて。肝心の撮影内&放送内容ですが、これについては良い感じで撮影&放送して戴けたと満足しています。

ただし放送された内容が『青い壺』に関して私が強く感じていたことを表現してくれたか…と言うと、それは少し違うかな。

私。かなり面倒くさいヲタクなので有吉佐和子に関してはめちゃくちゃ熱いですし、いくらでも語れます。他の作品を持ち出して比較したり時代背景などから推察したりたりしつつ読み勧めるする訳ですが、NHK的にはそう言ったノリはいらなかった感じ。

NHK的にあらかじめ撮影したいイメージがあって、それを確認する作業に近い気がしました。

私に関する部分はやたら介護に寄った感じの内容になっていましたが『青い壺』の作品自体は連作短編形式で主人公の年齢も様々なので高齢者の介護の話に振り切っている訳じゃありません。放送を見てくれた友人の中には親の介護のことに寄せて「私も本を読んでみるね」と言ってくれた人が多かったです。

たぶん…なのですがNHK的には「母親が老いていく悲哀」みたいなものを感じる娘の映像が欲しい…みたいな像があったのだと思います(あくまでも私の推察です)

だけど私の場合。実母の老いに対する悲哀を感じるどころか、むしろ実母が老いてからの方が親子の関係は良くなっています。

このブログには何度も書いていますが実母は40代から家事育児を一切放棄しちゃうような人で私は今の言葉で言うならヤングケアラー的な生き方してきました。なので実母が若い頃の方がよほど辛かったんです。むしろ今は「どこの高齢者もこんなもんだ」って気持ちがあるので実母との関係は実母が若い頃より楽になりました。

実母&義母の将来についても案外不安は無くて「なるようにしかならない」くらいの認識です。親友が福祉の仕事をしている&私自身が児童福祉の現場にいるので「何かあっても福祉(公共)と繋がっていればどうにかなる」と思っています。

私は実母のことを特別大事に思っている孝行娘ではなくて、いまだに「実の親子だけど、この人とは徹底的に性格合わないな~」と感じています。それはそれとして、実母に対して情があるのも本当ですし「最後まで面倒みなきゃな」程度の気持ちは持ち合わせています。

ちなみに。番組内で放送されていた「私が特に気に入っている一節」ってのはNHK側から提示してきた一節です。私も嫌い…って訳じゃないですし、そもそも私は有吉佐和子の文章が好きなので嘘は言ってません。

放送を観た娘が「あれっ? お母さんって、そう言う場面が好きなタイプだったけっけ?なんかお母さんらしくないね」と首をかしげていて「おおっ。流石は私の娘」と感心しました。

TVで放送されいてた内容に嘘はありません。俗に言う「切り取り」の結果…ってヤツ。

同じ本を読んでも1人1人感想が違うように人の言葉も受け取る人間によって解釈は違ってくるよね…くらいのことだと思っています。

親孝行出来た感が凄かった

今回の撮影では実家もチラッと映ったんですが実母がめちゃくちゃ張り切ってました。大阪の素人は最強です。

プロデューサーさんは「お母様にも事前にご挨拶してから…」って仰ってたんですが「母はめちゃくちゃ張り切ると思うので、突然訪問した方が撮影しやすいと思います。家族(弟)には事前に説明しておくので挨拶不要です」と言ってあったので、いきなりカメラ連れで乗り込んだのですが、予想以上の張り切りっぷりでした。

放送されたのは一瞬ですが母はTVカメラを前にめちゃくちゃ自由に話してました。弟とは「この映像は母の葬式で流そう」と話をしています。母も楽しかったみたいで放送された番組を観てご満悦でした。

職場バレについて

最初に心配していた職場バレですが…大丈夫でした!

私の職場周囲の朝のニュースは『めざまし』か『おはよう朝日』の2強だろうと思っていたのですが、予想通りの結果に。

なお夫の職場は『おはよう日本』派も多かったらしく、夫は事前に「実は妻が取材を受けました。自分もTVに映ります」みたいなことは事前に話をしていたようでした。

私も近所の人や一部の友人にはお知らせしましたが宣伝等はしていません(ブログにもTwitterにも事前に告知しませんでした)

あらかじめ知らせた人以外から「白蓮さん、なんで『おはよう日本』に出てたの?」と聞かれることもなく静かに収録と放送を終えてホッとしました。

こうやってブログに経緯を書いたのもNHK『おはよう日本』の見逃し配信の公開が終わったから。私は本質的に陰キャヲタクなのでこれからも健やかに石の下のダンゴムシのようにヒッソリと生きていきたいと思っています。

良い経験が出来ました

本の感想と個人的な日記を書いているだけのブログですが継続は力なり。長く続けていると良いことありますね。

ワードプレス形式のブログに引っ越ししたのは2015年ですが『白い木蓮の花の下で』の名前でwebに記録をはじめたのは2001年。23年間グダグダと続けてきた訳です。

その間「本のサイト」としは色々なことがありました。作者さん本人から「本の感想を取り下げろ」と凸られたのが最高にエキサイティングな出来事だと思っていましたが、今回の取材はそれを上書きしてくれる出来事でした。

「NHKおはよう日本のスタッフのみなさん。『白いも木蓮の花の下で』にとって最高の思い出をありがとうございました」って気持ちでいっぱいです。【本の感想を離れた撮影裏話はコチラ

本の感想の削除依頼が来た話
青い壺 有吉佐和子 文春文庫
先日、書店で『青い壺』が平積みにされているのを見つけた。再ブレイクしたらしい。私は有吉佐和子フリークで有吉佐和子の書いた...
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