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映画『バウンティ/愛と反乱の航海』感想。

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『バウンティ/愛と反乱の航海』は1984年制作のイギリス映画。

実際に起こった「バウンティ号の反乱」をモチーフにした作品で、なんと5度目の映画化とのこと。今まで作られた作品に較べると娯楽性が低めでリアルな仕上がりになっているそうだけど、私は前4作を観ていないので、他の作品と較べることは出来ない。

バウンディ号は、タヒチ島から奴隷用の食料品としてパンノキを西インド諸島に運ぶ任務のために、英国海軍が貨物船を買い上げて臨時の軍艦とした徴用船。そこで起こった反乱がテーマになっている。

史実についてはwikipediaに詳しく載っているので気になる方はは是非→wikipedia

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バウンティ/愛と反乱の航海

予告動画が見つからなかったので参考までに
バウンティ/愛と反乱の航海
The Bounty
監督 ロジャー・ドナルドソン
脚本 ロバート・ボルト
製作 バーナード・ウィリアムス
製作総指揮 ディノ・デ・ラウレンティス
出演者 メル・ギブソン
アンソニー・ホプキンス
音楽 ヴァンゲリス

あらすじ

物語の舞台は18世紀。英国海軍戦艦バウンティ号はパンの苗木をタヒチで積み、それを西インド諸島へ輸送するためにイギリスを出航していた。

ブライ艦長は自分の意に沿わない乗組員に対して厳しい体罰を加える非情で厳格な軍人。また、ブライは世界一周の野望を秘める野心家でもあった。

バウンティ号は南米大陸最南端のホーン岬を抜けてタヒチを目指すだったが、ひどい嵐に遭遇して断念。アフリカ大陸最南端のケープ岬を抜けるルートへ航路を変更する。

やがて一行は目的地タヒチに到着。常夏の楽園、タヒチは洋上で暮らしていた乗組員達にとってパラダイスも同然だった。

長期滞在するうちに若い乗組員たちはタヒチで自由な日々を満喫するが、ブライは以前から彼らをよく思っておらず、厳しく叱責し、ブライと乗組員達の間に溝が深まっていく。

そんな中、一行はタヒチを発つ日を迎える。

ブライは世界一周を果たすため、往路で失敗した難関ホーン岬への再挑戦を宣言。これに激しく反発した副艦長クリスチャンは、乗組員たちを率いてブライに反旗を翻す。

パラダイス感が凄い!

南海の楽園タヒチ…タヒチと言うと私の中では「ゴーギャンの島」ってイメージが強いのだけど『バウンティ/愛と反乱の航海』で登場したタヒチは、ゴーギャンの描いたタヒチそのものだった。

  • 海が綺麗!
  • 空が綺麗!
  • 娘さん達、超可愛い!
  • 食べ物美味しい!

……そりゃあ、ゴーギャンがタヒチに骨を埋めたくなるってものだ。イギリスから辛い航海をしてきた乗組員達も「もうタヒチで暮らしてもいいかな…」って思ってしまうのも無理はない。

一般的に「厳しい気候で暮らしている人間は真面目で働き者。恵まれた南の国で暮らしている人たちは陽気で明るい」なんてことが言われるけれど、半裸で暮らしても寒くなくて、果物も海産物も取り放題。童謡『南の島のハメハメハ』のように楽しく暮らしていけるなら、そりゃあ良いだろうよ…って話だ。

残念な上司に反発する部下

アンソニー・ホプキンス演じるブライ艦長はとにかく「クソ上司」って感じの人となり。理屈的には間違っていないのだけど、融通がきかないうえに、部下の気持ちを汲み取る能力に欠けている。

バウンディ号の反乱は18世紀に起きた出来事だけど、人間関係の構図は丸っと現代にスライドすることが出来る。

ブライを見限った乗組員達が担ぎ上げたのが、メル・ギブソン演じる。副艦長クリスチャン。古い映画なのでメル・ギブソンは細身でイケメン絶頂期。

ガミガミと怒ってばかりの中年上司より、イケメンの若い上司の方が良いよね…って話だ。

イケメンが大正義?

さて。反乱を起こしたチームイケメン。「彼らが大勝利を納めたか?」と言うと、そうとも言えなかった…ってところが面白い。

戦いをテーマにした物語として見ると、反乱を起こした副艦長は詰めが甘すぎて実に残念。史実に基づいて描かれているので仕方がないのだけど「ちょっとイケメン、ちゃんとして~」みたいな気持ちになってしまった。

今回はネタバレを避けたいので、オチは書かないけれど、映画を観た後で「彼らはその後、どうなったのかな?」と気になって史実を調べたところ「そりゃ、そうなるよね」みたいな末路が待っていた。

「愛と反乱の航海」なんて言うドラマティックな副題がついているので「どんなにワクワする物語なんだろう?」と思っていたけど、スカッと気持ちの良いハッピーエンドとは言えない仕上がり。反乱を起こされた人も起こした人もちょっと不憫な展開になっている。

『バウンティ/愛と反乱の航海』に点数をつけるなら68点ってところだろうか。

駄作とは言えないけれど、ものすごく面白かった訳でもない。暇を持て余した休日の午後に気だるく観るにはいいかもな…って感じの作品だった。

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