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ランチ酒 おかわり日和 原田ひ香 祥伝社

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原田ひ香の作品を読むのは『おっぱいマンション改修争議』に続いて2冊目。

今回は食べ物小説。最近はなんだかんだと食べ物小説が乱発しているので、ちょっと飽きがきていて「食べ物小説はしばらく避けよう」と思っていたのに、題名にやられて手に取ってしまった。

ランチ酒…いいじゃない。

私は個人的にお酒は昼間に飲むお酒が最高に美味しいと信じ止まない。

「私…昼間から飲んじゃってる」って背徳感の中で飲むお酒はたまらぬ物がある。そして夜飲むお酒と違って、飲み過ぎないのも良い。

……なんて書いているだけで、猛烈に昼酒が飲みたくなってしまった。まぁ、なかなか昼酒を飲む機会なんて無いのだけれど。

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ランチ酒

ザックリとこんな内容
  • 主人公の犬森祥子は離婚して一人暮らしをしている女性。1人娘は夫が育てている。
  • 職業は「見守り屋」。高齢者だったり、病人だったり、様々な人の夜を見守る。営業時間は夜から朝まで。
  • そんな祥子の楽しみは仕事を終えた後のランチ酒。
  • ワケありの客を見守り、最高のランチと至福の一杯を楽しむ。

感想

可もなく不可もなく。ボチボチ面白い短編集だった。1話完結の連作形式。1つの話に依頼人が1人と1ランチ。連続ドラマを観ているノリ。なんとなく『孤独のグルメ』を連想してしまった。

文章は軽めでアッサリ読める。難しい本を読みたくない時にオススメしたい感じ。

私はけっこう楽しませてもらったけれど、食べる事に興味がない人にはオススメしない。1つ1つの短編はそれなりに面白いけれど「美味しそうなランチとお酒」があってこその作品なので、食べ物とランチを抜いてしまうと「え。まぁ…」くらいの作品だと思う。

私は食べ物を美味しそうに食べて、お酒を美味しそうに飲む人を嫌いになれない性分らしい。

主人公の犬森祥子と一緒にランチ酒したいと思ってしまった。

あと余談だけど『ランチ酒 おかわり日和』は築地市場の移転についても書かれている。築地市場に思い入れのある人なら、より深く楽しめる気がする。

ちょっと残念だったのは犬森祥子自身の問題はあまり進んでいない…ってことだ。それなりの形に収まってはいるものの、そもそも主人公の内面を掘り下げるような作品ではないので、物語自体は非常にアッサリしている。

そして、読後に知ったのだけど『ランチ酒 おかわり日和』はシリーズ2作目で『ランチ酒』と言う1冊目があるそうだ。2冊目から読んでも困ることはなかったけれど、気が向いたら1冊目も読んでみたい。

は~。それはそれとして、ランチ酒がしたくてたまらない。次に友人と会う機会があれば、昼間でも絶対にお酒を飲もうと心に誓った。

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