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厩橋 小池昌代 角川書店

ものすごく小池昌代「らしい」感じのする作品だった。

舞台は東京。スカイツリーのお膝元で、生さぬ仲の娘を育てる夫婦と、養父母に育てられた娘の物語。

主人公は一応娘なのだと思うのだけど、母親の描写もけっこう濃いのでダブルヒロインと言っても良いかも知れない。

小池昌代らしい女の情念がネットリと描かれていてファンにはたまらない1冊。

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厩橋

スカイツリーの足下に広がる東京の町。そこに暮らす坂下親雄と黎子の夫婦は、ある日、厩橋に捨てられていた赤ん坊を拾う。

時は穏やかに流れ、「月子」と名付けて育てた娘は16歳になり、老婆のために『たけくらべ』を朗読するアルバイトを始めた。

一方、黎子は職場の図書館で会う「川向こうの男」の存在を意識するようになり―。

アマゾンより引用より

感想

下町の風景と樋口一葉の『たけくらべ』の世界が良い感じで融合した不思議な世界だった。

毎回思うのだけど、作者は「女」を描くのが実に上手い。

口ではなかなか説明し難いモヤモヤした感情をサラリと描いてくれて面食らう時がある。「そうそう。そうなのよ」「その感じ、すっごく分かる」と相槌を打ちながら読んでいる。

個人的には大好きなのだし、実力のある作家さんだと思うのだけど、世間的に見るとイマイチ流行に乗れていない気がする。

もっと評価されても良いと思うのだけどなぁ。

小池昌代の作品は、どこか「モヤモヤ」なままで終わってしまう事が多い。私はそこがむしろ良いと思うのだけど、そこが好きじゃないって人がいるのも分からなくはない。

物語の余白で遊ばせてくれる作家さんなんだけどなぁ。

今回の作品では震災のエピソードが大げさでなく織り込まれていたのも良かったと思う。

あの出来事は、色々な人の人生を変えたと思う。被災された方はもちろん、そうでなかった人達にも大きな影響を与えた。

この作品の登場人物達も震災から少なからず影響を受けるのだけど、そこへの持っていきようは上手いと思った。

今回の作品も文句なしに面白かった。次回作に期待したい。

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白い木蓮の花の下で
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