児童発達支援センターで働いていると毎年進路の問題で悩む保護者姿を見ることになる。
私が勤務している児童発達支援センターには様々な障がいを抱えたお子さんが通園されている。
- 身体障がい児
- 知的障がい児
- 発達障がい児
- 医療的ケア児
どちらかと言うと障がいは重めのお子さんが多いけれど、障がいの重さについては1人1人違っているし障がいが重複しているお子さんもいる。例えば…身体的な障がいもあるけど知的障がいもあるとか、医療的ケア児だけど発達障がいもあるとか。
子どもの進路…と言っても身体・知的で障がいが重い場合、選択肢がなくて当たり前のように支援学校に進む事が多い。
悩ましいのが「支援学校に行くべきか、それとも地域の小学校(支援級)に行くべきか」とか「地域の小学校の支援級に行くべきか、それとも普通級に在籍するべきか」あたりのところ。
私は個人的に「支援の量は多めの方が良い」と思っているけれど、ほとんどの保護者の方は「できれば普通級に…無理なら支援級…支援学校は最終手段」みたいな認識の方が多いように感じる。
一般的に「支援学校から支援学校の中等部、高等部に進んでも高校卒業の資格は得られないから地域の小学校から普通の中学、高校へと進むのがベスト」と考える人が多いのだけど、それについては「ちょっと待った!」と声を大にして主張したい。
「より普通であって欲しい。人並みに生きて欲しい」ってのは親として当たり前の願いであることは重々分かっちゃいるけれど、進路選択において最も大事にして欲しいのは「子どもが学校を楽しいと思って通えるかどうか」だと思う。
私は児童発達支援センターの前に放課後等デイサービス勤務を経験する中で普通級(支援級)に馴染めず二次障害を起こして不登校から引きこもりになってしまったお子さんを知っている。そのお子さんは小学校は地域の普通級に進学したものの中学校に進学するタイミングで支援学校を選んでいる。私は途中で転職してしまったため支援学校以降にそのお子さんがどうなったかは分かっていない。
そのお子さん以外にも地域小学校から中学校入学のタイミングで支援学校に行ったお子さんを知っているけれど保護者の方もは「最初から支援学校しておけば良かった」とおっしゃっている。
「少しでも普通に近づいて欲しい」と言う保護者の方の気持ちはよくわかるけれど子どもが成長発達する大事な時期を自宅で引きこもって過ごしてしまうのはもったいない。
まずは「学校が楽しい」と思って通えること。次に卒業すること。支援学校から先の進路(例えば就職的なところ)もしっかり用意されている…ってことを知っておいて戴きたいと思う、
心身共に大きく成長発達する小学校の数年間を不登校になってユーチューブとスマホゲームに費やしてしまう…なんて事態は避けたい。
最近は「頑張らなくていいんだよ」的な風潮が強いけれど何らかの障がいを持っているお子さんの場合、自宅で保護者の方が成長発達を促していくのは難しいと思う(決して不可能だとは言わないけれど)
保護者の方と進路の話をすることがあるけれど「まずはお子さんが楽しく通えて卒業できそうかな?」ってところを重きにおいて未来を想像して戴きたいと思うものの、保護者の方に細かなニュアンスを伝えることは難しい。
誰もが子どもの未来の幸せを考えている訳だけど正解は誰にも分からないし選択するのは保護者であって支援者ではない。「出過ぎずにいる」ってところも必要だからなぁ~と意識するように気をつけたい。
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