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日本のクラッシック界って危機的状況なのでは?

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先日、夫の仕事関係の方から大阪フィルハーモニー交響楽団の定期公演チケットを頂戴した。

オーケストラの生演奏を聞くのは久しぶり。娘が小学生の頃は「子どものためのクラッシックコンサート」みたいな公演に行っていたけど、それ以来…って感じ。独身時代は何だかんだと足を運んでいたけれど、所帯持ちになると自分の趣味は二の次三の次になってしまうのは仕方がない話。

奈良のハウスメーカーで働いていた時は平日休み(住宅業界は日曜出勤は当たり前)があったので、休みの日の夜にコンサートへ行くことが出来たし、大阪市内の企業に転職してからは「会社を定時で退勤してコンサートに」みたいなことも可能だったけれど、子どもがいると夜に出掛けることは難しいし、土日は子どもの好きな場所に遊びに行くので、大人の趣味を優先することが出来なかった。

「私も自分の好きなことを出来るようになって嬉しいなぁ」なんてことを思いながらフェスティバルホールへ。演目はベートーベン『ミサ・ソレムニス ニ長調作品123』合唱付きの曲で、大阪フィルハーモニー交響楽団で演奏するのは30年ぶりとのこと。30年前は朝比奈隆が指揮をしていたらしい。

本格的なオーケストラを聞くのは久しぶり過ぎてワクワクしていたのだけど、会場に到着して驚愕した。観客の9割が高齢者なのだ。52歳の私より若い人を探すのが難しいくらい。「音楽関係者かな?」と思うよような若い人もチラホラいた程度。

……これって…いま聞き来てくれてる高齢者が死んでしまったら、集客出来ないんじゃない?

日本のクラッシック界が厳しい…ってことはチラホラ聞いていたけれど、ここまで酷いとは思ってもみなかった。「クラッシックはチケットが高いから人が来ない」みたいなことを言う人もいるけれど、クラッシックよりもチケットが高い芝居やミュージカル、宝塚歌劇の観客の年齢層は幅広い。これはチケット代の問題ではないように思う。

勘違いしている人もいるけれど、人間の趣味は年相応に変わる訳じゃない。ロックが好きな人は年を取ってもロックが好きだし、アニメが好きな人(例えば私)はいい歳した大人になってもアニメを観る。コンサートに足を運んでいる高齢者達はずっとクラッシックが好きなのだと思う。

オーケストラを聞く若い人がいない…ってことは、いま支えてくれる高齢者が死んでしまったら楽団は継続出来ない…ってことだ。

30年前…私がクラッシックのコンサートに足を運んでいた頃は、もっと幅広い年齢層の人が観客席にいた。彼ははどこに行ってしまったんだろう? そしてどうした新しいファンを獲得出来なかったんだろう?

このままだと日本の交響楽団が継続するのは難しい。もはや絶滅危惧種と言って良いレベル。

観客席の様子に頭をぶん殴られたくらいショックだったのだけど、演奏自体は素晴らしかった。やっぱり生演奏は良い。録音と違って空気の振動とか演奏者の熱量が伝わってくる。演奏も合唱もゲストの独唱も良かった。

良い音楽を聞いて気持ちがリフレッシュした気がする。実際、その夜はぐっすり眠ることができた。

それにしてクラッシック音楽が好きなだけに、高齢者が9割の客席は衝撃的だった。私は中の人ではないので、どうしようも出来ないけれど若い人が来てくれるように努力しないと日本のオーケストラはそのうち絶滅してしまうよなぁ…と哀しい気持ちになってしまった。

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