土曜日は娘の小学校の音楽会に行ってきた。
数年前に赴任してきた娘の小学校の音楽の先生は熱心な人らしく、昨年から盛大に音楽会が行われている。入学した時は「音楽会? ナニソレ美味しいの?」って感じだっただけに、驚きを禁じ得ない。
今の音楽の先生は変わった楽器もどんと触らせてくれるらしく、音楽会にもドラムだのカホンだの、私が小学生の時には見たこともない楽器が沢山登場した。
ちなみにカホンはこんな楽器。椅子みたいな箱に座って側面を叩きます。
また、個人的に楽器を習っている子は「マイ楽器」を使っても良いらしく、バイオリン、クラッシックギター、ベース等、これまた小学校の音楽会では見掛けないような楽器が沢山登場して、レベルの高い音楽会だった。
娘の通う小学校は1学年に1クラスか2クラスしかないため、音楽会は全学年合同で行われた。
音楽会は1年生から演奏して最後に6年生。そして全校生徒の合唱で締める…みたいな流れ。
当然ながら親としては自分の子どもが最高に可愛い訳だけど、今回は6年生の合奏の指揮者(男子)が上手過ぎて、音楽会の印象を全部その子に持っていかれてしまった。
小学校の音楽会の指揮者って教えられた3拍子なり4拍子なりを機械的に刻む子が多いのだけど、6年生男子指揮者は小学生レベルの指揮ではなく「ちょ…君、年齢詐称してません? 吹奏楽の指導15年くらいやってたよね?」としか思えないような指揮っぷりだったのだ。
- 打楽器もっと音ちょうだい
- ピアニカ抑えていこう
- じっくり溜めて…そうここで出す!
- こっから盛り上げていくよ~
- ここに音を集めて集めて…爆発させる!
これ、全部指揮で伝わった。
しかも適当に振っているのではなく、的確な指示。私は指揮者に釘付けだった。だって上手過ぎるもの。あれは素人の指揮じゃなかった。
帰宅した娘に聞いたところ、子ども達もザワザワしていたらしい。「あの6年生、大人みたい」と。
あの子は一体何者なんだろうか?
「親が音楽好きな人で幼い頃から音楽会とか楽器に親しんでいた」と考えるのが普通だと思うのだけど、もしも「やってみたら出来た」って言うなら、天才だと思う。
小学校の音楽会であそこまで巧みな指揮にお目に掛かれるとは思ってもみなかった。
超絶技巧の幼い指揮者が今後、どんな風に成長していくのか楽しみで仕方がない。もしかしたら普通の会社員になっている可能性もあるけれど、少なくとも音楽会のMVPは6年生の指揮者だった。11歳だか12歳だかの男の子が1人で会場にいる人達の心を鷲掴むなんて。
思い切り楽しませてもらって満足している。幼い指揮者の未来に幸あれと祈らずにはいられない。