私の住んでいる地域には「旧村」と呼ばれる昔からの村かあった場所と昭和以降に田畑を潰して住宅にした場所が入り混じっている。
自宅があるのは昭和に開発された住宅地。すっかり高齢化が進んではいるものの、立ち並ぶ家は昭和式住宅で、合間にポツンポツンと平成に建てられた新しい家が混じっている。
娘は平日は毎日体操教室に通っているのだけれど、体操教室へは旧村を走り抜けていく。
広て古い家が立ち並び、平成になった今でもご近所付き合いが大変だと聞いている。何しろいまだにご町内の訃報が町内会館のスピーカーで放送される。祭りの時の寄付が大変だとか、冠婚葬祭が面倒臭いとか、そこに住んでいる人達からは様々な話を聞かされている。
旧村の中にはお不動様とお地蔵様の祠がある。お地蔵様やお不動様と言ってもお寺に引っ付いているのではなくて、住宅の間に挟まるようにして祠だけが建っていて、誰が管理しているのかは知らないけれど、いつも綺麗な花が飾れていて、キチンと管理されているようだ。
4月から娘が平日、毎日体操教室に通うようになって私はある事に気がついた。お地蔵様の祠とお不動様の祠には毎晩、夜になると電気が付いているのだ。
しかもお不動様の祠には毎日お線香が備えられていて、体操教室の帰り道にはいつもお線香の良い香りが漂っている。
ちょっとした事だけど、こう言うことって防犯対策としても良い事なんじゃないかな…なんて事をふと思った。
世の中にはトンデモなく頭のオカシイ悪人があるのも事実だけど「ちょい悪」くらいの人ならば、神仏があってお線香の香りが漂っていて、電気が煌々とついている場所で悪い事をしようとは思わないのでないだろうか?
そう言えば私の家は児童公園の近くにあるのだけれど「公園が汚いと防犯に良くない」と言う理由で、町内会で毎日掃除をしている。
私は娘が生まれてから、あちこちの公園に行きまくっているけど、ゴミの多い公園は荒れて異様な雰囲気があって、手入れの行き届いた公園とは全然雰囲気が違うのだ。
旧村にあるお不動様はお地蔵様の祠は誰がどういう風に管理しているのかは知らないけれど、ありがたい事だな…と思う。
旧村と呼ばれる地域は「古い慣習が厳しくて大変」と言う話ばかり聞いていたのだけど、私の知らない良いところもあるのだな…なんて事を思ったりした。