8歳の娘は結婚式場のCMが大好きだ。
夕方のニュースの時間帯には必ず結婚式場のCMが挿入される。こんな時間に結婚式場のCM流したって、結婚式を考える世代の働く人達はテレビなんて観ていないんじゃないの?」と不思議に思っていたけれど、よくよく考えてみると「年頃の娘を持つ母親」や娘のように「いつか結婚する人達」が観ているので、それはそれで意味があるのかも知れない。
結婚式場のCMって実によく出来ている。
CMに流れる結婚式は大抵「ちょ…これだけの規模の結婚式と披露宴したら何百万かかるんだ?」と言う豪華な物で、夢のようにロマンティックな空間が広がっいてる。青空の下で咲き誇る花々、光り輝くチャペル、そして真っ白なウェディングドレス! ウェディングドレス姿の花嫁を観ながら娘はいつも「私も結婚する時はあんウェディングドレスが着たいわぁ」とうっとりするのだけど、面白いことに結婚式のCMには花嫁は必ず出てくるけれど、花婿はちょろりと登場するか、潔い物になると最初から最後まで花婿が出てこない物もあったりするのだ。
そう…実のところ結婚式場のCMに花婿は不要なのだ。
娘が結婚式に憧れるのはあくまでも「素敵なウェディングドレスを着た私」を妄想するからであって「大好きな彼と結婚したい」と言う訳ではない。もちろん、成長と共に変わってくるとは思うのだけど、今の娘にとって結婚はウェディングドレスを着る事であって、それ以上の意味は持たないようだ。
女は幼い頃からこんな風にしてウェディングドレスへのあこがれを植え付けられて行くのだなぁ…とつくづく感心させられる。
それにしても女の「着飾りたい欲」は凄いと思う。私自身、もうすっかりオバサンになってしまったけれど、それでもいまだにドレス着たい願望は健在だ。人によっては着飾りたい欲の象徴はドレスではなく着物かも知れないし、ブランド物で固めたスタイルかも知れないけれど、着飾りたい欲のない女は少数派なのではないかな…と思う。
今すぐにどうのこうの…とは思っていないけれど、おばあさんになる前にもう1回ドレスが着たい。最後にドレスを着たのはウェディングドレスだったか、宝塚のステージスタジオで写真を撮った時だっか。 もうすっかりオバサンだし、華やかなドレスは似合わないのは分かっているけれど、冥土の土産にドレスを着てこっそり写真を撮っておきたいな…と思う。