ある人から「女は40歳過ぎるとお洒落をサボってはイケナイ。サボると老けてお婆さんに見えると言う人がいるけれど、それは違う。40代以降の女はお洒落をサボるとオジサンになるよ」と言われた。
この言葉、怖い……怖す過ぎる。でも分かる……分かり過ぎる。
今まで「お洒落をサボると老けて見えるよ」とか「ババ臭くなるよ」とか言われても、それほどグサッっとこなかった。「そんなの年取ったら当たり前じゃない」と思っていたし、芸能人でもなければ歳相応に老けていくのは仕方がないと思っていたのだ。だけど、いくらなんでも「オジサンになる」のは嫌だ。いくらなんでも酷過ぎる。
……とは言うものの、街を歩いていると「オジサンに見えるオバサン」って意外と多い。そして「お爺さんに見えるお婆さん」も多い。髪が長いとか短いとか、スカートだとかズボンだとか、それは関係ない気がする。たとえばショートカットのパンツスタイルだったしても、女らしいオバサンはいるし、ロングヘアーなのにオジサンっぽいオバサンっだっている。
そう言えば赤ちゃんの頃って、服を着ていたら女の子だか男の子だか分からない子が多い。もちろん顔を見ただけで「いかにも男の子」「これは女の子」と分かる子もいるけれど、着ている服が同じだったらパッっと見では性別が分からない子の方が多いように思う。
もしかしたら人間は年を取ると赤ちゃんの頃のように「性差」が曖昧になってくるのではなかろうか?
「お洒落をサボるとオジサンになる」と言う言葉を聞いて、もっとお洒落に気をつけよう……と本気で思った。「人から良く思われたい」とか「モテたい」とか「綺麗って言われたい」とか、そんな話ではない。お婆さんになるのは良くても、オジサンになんてなりたくない。
「40代以降の女はお洒落をサボるとオジサンになる」だなんて、誰が言い始めた言葉なのかは知らないけれど、その通り過ぎて嫌になる。これから私は「ずっとオバサンでいる努力」「ずっとお婆さんでいる努力」を怠らないようにしようとここに誓う。綺麗じゃなくてもいい。せめてオバサンで居続けたいと思う。