最近、私の中の下衆い好奇心が活性化している。頂き女子「りりちゃん」のルポルタージュ本に続いて、今度はAV監督のルポルタージュ本。
以前、東大卒のAV女優のルポルタージュ『はだかの白鳥 阪大大学院卒でAV女優に』を読んで以降「これはAV女優側の話しだけど制作サイドはどんな感じなのだろう?」と興味を持っていた。
2026年をベースに考えると、かなり古い価値観の時代がメインになっているので「AV業界のリアル」とは離れているかも知れないけれど、それなりに楽しく読ませてもらった。
エロ職人ヒビヤンの日々涙滴―AV監督・日比野正明の生活と信条
- 自転車屋の長男として育った日比野正明は、平凡な日常から抜け出すように映像制作の道へ進み、初期の挫折や価値観の変化を経験しながら独自の感性を培っていく。
- AV監督としての下積み時代、村西とおるの右腕となり睡眠時間3時間、休日なしの日々を送る中で、過酷な現実と向き合いながらも自らの表現を追求していく。
- 独立後は自分で編集やモザイク処理を行い、企画から経費精算までこなす職人気質の働きぶりを見せ、ヒビヤンとして業界内外から注目されるようになる。
- 成功と困難を重ねた日々の中で出会った友人や女優たちとの交流や挫折、そして信念に支えられた生活と信条が、喜怒哀楽あふれる物語として生き生きと綴られていく。
感想
それなりに楽しく読んだものの、申し訳ないけど期待外れだった。
……と言うのも「少し前の時代の話」が中心だったので現代に即していなかったのだ。現在(2026年)で53歳の私が高校生だった頃に話題になったAV女優、黒木香が主要人物として据えられいた…ってことからお察し戴きたい。この作品が悪いのではなくて下調べもせずに読んだ私が悪い。
ちなみに黒木香は横浜国立大学出身。当時は高学歴で脇毛を見せるAV女優としてバラエティ番組でよく見掛けた。最近読んだ東大卒のAV女優もそうだったけれど高学歴AV女優って一定の需要があるのだろうなぁ。
「そんな時代だった」と言ってしまえばそれまでだけど「ひびやん」は昭和の猛烈サラリーマンみたいな働き方をしていて「よくそれで病まず・死なずにやれましたよね」と別のところで感心してしまった。
『はだかの白鳥 阪大大学院卒でAV女優に』で描かれているAV業界は最近のものだと思うのだけど、この作品は過去の物語なので「今のAV業界ってどんな感じなのか?」ってことについては書かれていない。昔を懐かしみたい人向けの作品だと思う。
それはそれとして。この作品にしても『はだかの白鳥 阪大大学院卒でAV女優に』にしても、女優も制作者も自分の仕事に誇りを持っている……という体裁にはなっているけれど結果的に幸せになっていなさそうなのが切ない。
黒木香はアルコール依存症(?)っぽくて芸能界を引退して、一般人として生活しているとのこと。東大卒のAV女優にしても「親にはまだ自分の仕事のことを打ち明けていない」書いていた。
制作サイドの人達については分からないけれど、少なくともAV女優は幸せ…とは言い難い気がする。他人の人生をとやかく言う権利は誰にもないのだけどね。
AVも今はビデオを売る時代ではないし配信等が主流なのだろうか? 私が初めて見たAVはレンタルビデオ店の暖簾の奥にあったよなぁ~などと懐かしく思い出したりした。良くも悪くもインターネットはこういう世界にも影響を与えている気がするので色々と難しいのではないかと推察する。
それなりに楽しく読ませてもらったものの、私の求めていたタイプの作品ではなくて残念だった。

