娘の公文の教材に『あしながおじさん』が取り上げられていたらしく、娘と『あしながおじさん』について語り合った。
娘はどちらかと言うと体育会系の理系人間。国語と歴史と地理が大嫌いで理科と数学が好き。娘の方向性は彼女が小さい頃から気づいていたので「この子は絵本を卒業したら本を読まない子になるんだろうな」と思っていたけど、今でも本を読むのは好きみたいだ。
ただ、やっぱり私とは読書傾向が違っていて、お姫様系の話にはハマらなかったし、魔法もファンタジーもノーサンキュー。なので私も娘には「文学少女定番作品」読ませようとは思わなかったのだけど、それでも『アルプスの少女ハイジ』『若草物語』『赤毛のアン』『あしながおじさん』あたりは、友達の影響もあって、なんとなく手を付けていたらしい。
娘に言わせると「公文の英語の教材はエピソードを抜き出すセンスがなさ過ぎて泣ける」とのこと。
公文教材の『あしながおじさん』の場合、ヒロインのジルーシャ・アボットの名字は墓石から取った…ってエピソードを割愛されていたらしく、娘は「あのエピソードを省くなんて信じられない」と憤慨していた。
墓石のエピソードはさておき。そのことをキッカケに娘と『あしながおじさん』の読みどころについて語り合ったのだけど、なんと言っても『あしながおじさん』の最大の読みどころは「あしながおじさんの正体」だったと思う。
私が『あしながおじさん』を読んだ時は、ラストであしながおじさんの正体が分かった時、ものすごくビックリして覚えがあるのだけれど、娘は想定内だったとのこと。
「あしながおじさんの正体は、ジャービー坊っちゃんか、そうでなけば実は孤児院の院長先生もアリかと思ってた」と娘。
……マジですか。
娘が『あしながおじさん』を読んだのは子ども向けのもので、小学校低学年の頃だったと思う。小学校低学年でそこまで推理して読んでいたとは。同じ年頃で読んだ私は「あしながおじさんは誰なんだろ~。はぁぁ~ドキドキしちゃうなぁ」くらいの、ぼんやりさで読んでいたと言うのに。
『あしながおじさん』については、なかなかの推理力を発揮して読んでいた娘だけど、ものすごく頭良くて読解力がある…と言う訳ではなくて「えっ、マジですか? そこは察してくださいよ」みたいなところが読み取れなかったりもする。
同じ作品を読んでも、人によって目のつけどころとか読み方がこんなにも違うものなんだなぁ。
本を読む楽しさは読者によって変わってくる部分がとても大きい。
「それは漫画や映画も同じでしょ?」って話だけど、本には画像や映像、音楽が入らない分だけ、他の娯楽よりも人によっての振れ幅が大きい気がする。
娘と本や映画の話をしていると、私とは感じた事の方向性がビックリするほど違うのでとても楽しい。
娘と私は好みが違うので全てを共有することは出来ないけれど、機会が本についても色々話をしていきたいな…と思う。