林真理子の作品はけっこう好きだったりする。
女性のしたたかさ、強さ、嫌らしさを、鮮やかに書いてくれるところが、お気に入り。物語に起伏があって読みやすいのもよい。が、しかし今回の作品は駄目だった。
まったくもって面白くなかった。
題名の通り、語り部役の主人公が「年下の女友だち」達の恋愛を語る形式になっているのだけれど、女友だち達がワンパターン過ぎて、詰まらなかったし、途中からはすっかり飽きてしまった。
年下の女友だち
若い女であるということは、それだけでせつない。
容姿も人柄も良いのに縁遠い七美。妻子ある男との関係が絶てないこずえ。結婚前にセックスに溺れてみたいと言う実果子…。恋愛と結婚に揺れる、若い女性たちを描く連作短編集。アマゾンより引用
感想
ヒロイン達のほとんどが「お金持ちで、美人のお嬢様」で、恋愛感とか結婚感が、似たり寄ったりというりのは手抜きとしか思えなかった。
雑誌なんかに載っているものを、1編だけ読むなら良いかも知れないが、並べて読むには耐え難い。
最近読んだ短編集(それぞれ作者は違うのだが)は2冊ともイマイチだったことから、ちょっと思ったことがある。短編集の良し悪しというのは、作品の良し悪しもあるだろうけれど編集者の責任も大きいなぁ……と。
同じような味わいのものばかり集めたら、よほど作者の世界観を気に入っているファンでもない限りは「ワンパターンなものばかり読むのは飽きてくるなぁ」と思わざるをえないのだ。
読者が最後まで美味しく読める本作りというのも大切なのではないかと思う。もっとも、これは一読者の戯言ではあるのだけれど。
今回の作品は「ワンパターン」にもウンザリさせられたが、ヒロイン達の馬鹿っぽさにもウンザリだった。
わざと、馬鹿っぽく書いたのかも知れないけれど。独身女性の全てが、あんなタイプというわけではないのに。
そりゃあ、まあ、良く出来た人はあまりいないかも知れないけれど、この作品に登場したヒロイン達は、嫌な女過ぎるように思う。
少なくとも私の親しい友人に、こういうタイプの女性はいないぞ。
次は、ちょっと重いめの長編を読みたいなぁ……と思った。