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神懸っていた厨房の光景。

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職業に貴賤は無いと言われているけれど、世間的には「底辺職」と呼ばれる職種が存在する。

  • スーパーのレジくらい誰でも出来る
  • 皿洗いでもなんでもやればいい

……などなど。「皿洗い」って誰でも出来る底辺職として認識されているように思うのだけど、先日、私は驚愕の光景を見た。

私と夫はウォーキングが趣味で大阪近辺を歩きまくっているのだけど、その日は大阪梅田で昼食を食べることになった。

ウォーキングの途中の昼食は持参したものを食べたり、テイクアウト品が多いれど店に入る時も「お洒落なカフェ」とか「素敵なレストラン」などは求めておらず「出来るだけお安くササッと食べて立ち去る」をモットーとしている。

梅田でお安く昼食を食べられる場所…ってことで、その日は阪神百貨店のスナックパークで食べることにした。スナックパークはフードコート的な場所。夫は天丼。私はオムライスの店で食事を調達した。

オムライス店は狭い店舗でスタッフ3人でまわしていた。1人はカウンターとレジ。1人は調理。そしてもう1人が皿洗い。

調理の人延々と炊飯ジャーからご飯をケチャップライスをよそってフライパンでオムライスを形成しソースをかけていた。出来上がってオムライスはカウンターの人がさいていく。皿洗いの人は戻ってきた皿やスプーンコップなどを爆速で洗い上げていた。

調理の人はプロの料理人で40代くらいの男性。カウンターは若い女性。皿洗いは高齢男性だった。どのスタッフも驚くほど手が早くて連携が取れているので行列はスムーズに進み、行列の長さにしては待ち時間が少なくてストレスを感じなかった。

3人のオペレーションの完璧さは目を見張るものがあった。誰か1人でもモタモタする人がいたら、あの行列は捌けない。「皿洗いくらいだれでもできる」なんてレベルの皿の量ではなかったし「レジくらい誰でも出来る」なんて混雑ではない。料理人のオムライス技も見事だったけれど、脇の2人の働きっぷりもお見事だった。

私も学生時代に厨房バイトをしたことがある。ウェイトレスで入ったのに「皿洗いに手が足りない」と厨房に入れられて以降ずっと皿洗いと調理を担当していたので厨房内での連携の大事さは身に沁みて理解している。その日の阪神百貨店スナックパークのオムライス店のオペレーションは神懸っていた。

…とは言うものの。カウンターの女性も皿洗いの男性も非正規雇用の人だろうから、あの体制が永続的に続いてく訳ではないのだとも思う。本当に仕事が出来る人にはそれ相応の対価が支払われて欲しいと思うけれど、彼の時給はたぶん「それなり」なのだろうとも思う。

安いフードコートの中の調理場の人の働きっぷりって、なかなか褒めてもらえない気がするのだけれど、私はとても感動したのでここに書き記しておくことにする。

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日記
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