私達が暮らしている地域の子ども達の間では「中学生になったら子ども達だけで地元のショッピングセンターに行っても良い」と言う不文律がある。
「子どもだけで遊びに行かせる」と言うことについては年齢もさることながら「地域柄」みたいなところもあると思う。
住んでいる地域によっては「どこかに行く時は基本的に車移動」みたいなところもあるだろうし、校区内に繁華街がある…なんて場所に住んでいる子ども達もいると思う。
私達が暮らしている地域は「自転車で20分くらい走ったら、そこそこ大きなショッピングセンターに行ける」って感じ。
校区内には食品スーパーしかないので、ちょっとした買い物をしたい場合は、自転車で地元のショッピングセンターに行くか、電車や車で大阪市内に出るしかない。
娘はずっと中学生になって子どもだけで地元のショッピングセンターへ遊びに行くのを楽しみにしていた。娘の小学校では「卒業式の日のお昼ごはん子どもだけでマクドナルドに行く」みたいな儀式があるのだけど、今年はコロナ騒動でそれどころではなかった。
休校からの卒業式、入学式。そして長い長い春休み。ようやく学校がはじまり、娘が仲良しの友達と地元のショッピングセンターに行きたいと言い出した。
緊急事態宣言は解除されたものの、外出自粛はした方が良い……とは言うものの、ずっと楽しみにしていた「子ども達だけでのお出掛けデビュー。迷う部分もあったけれどOKすることにした。
午前10時半にお友達が家に迎えに来て、娘はお友達と連れ立って自転車で地元のショッピングセンターへ。私と夫は娘達が出掛けていくのを見送った。
「ゆっくり遊んでおいで」と送り出したのだけど15時30分に帰宅。「プリクラしたけどハサミが無かったので、家で切り分けたい」と、居間でキャッキャしながらプリクラを切り分けていた。
娘達はマクドナルドでご飯を食べて、プリクラを撮って、ダイソーで小物を買って帰ってきたみたい。プリクラ以外は家族で出掛ける時とさほど変わらない動きなのだけど「親抜きで友達だけで出掛ける」ってことがよほど楽しかったらしく、楽しそうな笑い声が聞こえてきて、台所で用事をしていた私も嬉しい気持ちになってしまった。
我が家に娘の友達が来るのが久しぶりだったし、娘が友達とキャッキャする姿を見るのも久しぶりだった。
コロナ自粛のもたらした影響って本当に大きい。
今まで当たり前の事として受け止めていたことが、こんなに素敵で楽しいことだったなんて思ってもみなかった。コロナに関してはまだまだ油断は禁物だし、第二波の心配もあるけれど、これ以上広がらずに収まってくれることを心から願う。
当たり前のささやかな楽しみが当たり前のように行われていく毎日って貴重なんだな…と、しみじみ感じた1日だった。