私の場合、不倫物って読後の感想がバシッと2つに分かれてしまう。
「なんだかんだ言っても所詮、不倫じゃないの」となるか「不倫だけど、なんかさ…責められないよね。こういうのって。切なかぁ」となるか。
この作品は不倫物だったが「所詮不倫物」としか思えなかった。
ラジオ・エチオピア
2002年夏、ワールドカップに浮かれ気分の東京―。僕と彼女は何度も何度も嘘をつき、傷つけ、愛し合った。
彼女からのメールにはロラン・バルトの「嫉妬するわたしは四度苦しむ」なんていう愛のメッセージが綴られていた。妻に盗み読まれていることも、知らなかった…。
ベストセラー作家が描く、狂おしいほどの恋愛小説。
アマゾンより引用
感想
ヒロインがどうにも好きになれなかった。最初から不倫だと分かっているのに、付き合いだしてから、1日に4通も、5通も長文メールを書き送るだなんて、どうかしている。
好きになったら逢いたくなるとか、書かずにはいられないってのは分かるけど、いい年したオバサンが不倫するんだから、分別を持とうよ……とツッコミを入れてしまった。
これがまた「命賭けの恋」という勢いなら、まだ納得はいくのだが、正真正銘「ただの不倫」である。
両者とも大量のメールを交わしていて「精神的に繋がっている」風に描いているのだが、私にはお互いの自己満足を満たしているようにしか思えなかった。
日記を書いて自己満足に浸るレベルと言っても過言ではない。遊びの恋なら、最初から辞めておけばいいのに。
男も、女も、私には嫌いなタイプだった。
最近の「読書好調の波」に水を差すような、感じの悪い1冊だった。
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