壇ふみのファンでもないのに、ついうっかりと手に取ってしまった。
私の中の壇ふみは往年の名番組「NHKの連想ゲーム」の回答者というイメージが強い。最近は健康をイメージした食品のCMにもよく出てるなぁ…というくらいである。
だが、しかし。どうしても素通りできなかったのだ。なぜなら彼女はも愛する作家、檀一雄の娘さんなのだ。ファンとしては、いちおう押えておかねばならないだろう。
ありがとうございません
子どもの頃「どうぞ私をいい子にしてください」と毎晩神様にお祈りをして父・檀一雄に気味悪がられ、大人になってからも、銀行で自分のカードの暗証番号がわからず、警備員に尋ねて呆れられる…。
女優・檀ふみが懐かしい思い出や身近で起きた出来事を、ユーモラスに綴るエッセイ集。読んでいるうちにじわじわと心が和む作品全六八編を収録。
アマゾンより引用
感想
どうと言うことのないエッセイ集だった。上手くもなければ下手でもなく。面白くもなければ「金返せ」というほどでもなく。
あっさり味過ぎて、どこにもとっかかりがない感じ。
唯一、思ったのは「すくすくとオバサンになった人なのだなぁ」ということだった。なんとなく「良い人そう」なのだ。オバサンと呼んでもいいくらいのお年の方なのだが、嫌味なく、お嬢さん然としていると言うか。
正直なところ、何も感じることが無かったので、感想が書き難い。読書録には書かないでおこうかと思ったくらいだ。
だけど檀一雄の娘だし。「お父さん大好き」な文章を読ませてもらえたのはファンとしては嬉しかった。
檀一雄は家庭人として色々とアウトなところもあるけれど、檀ふみは父親の事が大好きだったのだなぁ…と思うと胸が熱くなってしまった。
気が向いたら、彼女の作品はもう1冊くらい読んでみるかも知れないが、毒気のなさすぎる文章なので、ハマることはないだろうと思った1冊だった。