テレビでニュースを観ていると毎日のようにクマの被害が報道されている。
クマが出る地域は気の毒に思うし、どうにかして駆除できないものかと単純に考えるのだけど世の中には「野生の生き物を殺すだなんて、とんでもない」って考えの人もいるようだ。
私はどちらかと言うと動物は好きな側の人間だだけど、それでも行き過ぎた動物愛護はどうかと思う派だ。
昔。祖母の家の庭では犬とチャボを飼っていた。犬はどこかから連れてこられた(または拾った)雑種で代々「チロ」と言う名前がついていた。前のチロが死ぬと子犬のチロがやってくる。チャボは玉子を採るために飼っていた。
チロの話は以前、日記に書いたことがある。味噌汁がけご飯だの家族の残り物を食べていて、それでも「家族」として扱われていたようで献立に肉類が使われる時はあらかじめ「チロの肉」として、チロの分も取り分けられてた。チロは祖母が鍋でごった煮にした謎のご飯を毎日食べて庭で伸び伸び暮らしていた。
一方、チャボには名前が無かった。祖母の家に泊まりに行くと「美味しい玉子かけご飯を食べさせてあげる。チャボの玉子を採っておいで」と言われて、チャボ小屋に玉子を取りに行った覚えがある。新鮮な玉子を使った玉子かけご飯は最高に美味しかった。
チャボは家族から可愛がられている風ではなかった。チャボは「玉子を産む鶏」としての認識していかなかったのだと思う。
名前が無かったチャボはいつからいて、いつ死んだのかも分からない。もしかして代替わりしていたのかも知れないし、あるいはどこかの時点で食べられていたのかも知れないけれど記憶に無い。
祖母の家で飼われていた犬とチャボには明確な線引があった。名前のある犬と名前の無いチャボ。チャボは玉子を産む鶏、あるいは人間の食べ物として扱われていた。
クマって生き物は『くまのプーさん』みたいなキャラクターのおかげで可愛い生き物のようなイメージを持っている人もいるけれど、クマにしてみれば私達人間は食べ物なのだと思う。クマは雑食で人間よりも美味しい食べ物があればそちらを食べるとは思うのだけど人間も食べる。
「クマを殺すな」と言う人達は自分が捕食されるのをヨシと考えているのだろうか?
私の近しい知り合いには「クマを殺すな」って人がいないので、そう言う人から直接話を聞くことがないのだけれど「どうしてそう言う考えに至ったのですか?」とか「自分が捕食されるのはOKですか?」とか「自分以外の他人なら食べられてもOK…みたいな認識ですか?」とか質問してみたい。
クマには大変申し訳ないと思うし生態系を壊したのは人間だと言われたら「そうですね」って話ではあるけど、それでもやっぱり誰かがクマに食べられるのは嫌だし自分もクマに食べられたくない。クマが出る地域にお住まいの方は気が気ではないだろうし、心からお見舞い申し上げる。

