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もう逃げない。 〜いままで黙っていた「家族」のこと〜 林眞須美死刑囚長男 ビジネス社

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下衆い好奇心から手にとってみた1冊。我ながら悪趣味だと思うけれど、安倍首相を殺害した山上容疑者の裁判の報道をみて、ふと「犯罪者の家族ってどんな生活をしているんだろう?」と気になって手に取った。

『もう逃げない。 〜いままで黙っていた「家族」のこと〜』の作者は和歌山毒物カレー事件の林真須美死刑囚の長男。林真須美死刑囚は2025年11月に最高裁が再審請求を棄却したことで死刑が確定している。

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もう逃げない。 〜いままで黙っていた「家族」のこと〜

ザックリとこんな内容
  • 著者は、21年前の和歌山カレー事件を経て目覚めたとき、突然「殺人犯の息子」としての人生を背負わされた。
  • 幼少期に児童養護施設に預けられ、いじめや暴力、差別を浴びながら「死刑囚の子」としての葛藤に苦しんだ著者は社会に出てからは就職困難、婚約破棄、身元への偏見に直面し、自分のアイデンティティと親の罪の重さに翻弄される。
  • 最終的に著者は「もう逃げない」と決意を固め、母との関係や未来への想いを静かに見据えて人生を肯定していく。

感想

1998年に起こった和歌山毒物カレー事件は当時大きく報道されていたので、私もよく覚えている。「林真須美は冤罪なのでは?」みたいな話もあるようだけど、事件の云々について、ここで触れる気はない。私は警察関係しでもないし法律の専門家でもないので「本当はどうだったのか?」なんて分かるはずもない。

私が知りたかったのは「加害者家族のその後の人生」であり『もう逃げない。 〜いままで黙っていた「家族」のこと〜』では、それについてしっかり書かれていた。

「凶悪犯罪者の家族は肩身の狭い思いして生活しているんだろうな」ということくらいは誰だって想像が出来ると思うのだけど、作者の人生は想像していた以上に大変だった。

「加害者の人権を守れ」と言うつもりはないけれど、加害者家族…特に子どもの人権は守られるべきだと私は思う。人の口に戸を立てることは出来ないので「犯罪者の息子」と言われるのは気の毒ながら仕方がないとは言うものの「学校に行けない」となると別の話。林真須美死刑囚の子ども達は「日本国憲法に定められた基本的人権って何でしたっけ?」レペルで人権を侵害されている。そう言えばオウム真理教事件の松本智津夫の娘さんは大学の入学を拒否された…って話をネットニュースで読んだ記憶がある。

親ガチャって言葉は良くないけれど、実際に親ガチャはあると思う。そして子どもは親を選べないし、捨てることさえ出来ないのが辛いところだ。

親に恵まれずに社会からも受け入れてもらえない…だなんて気の毒過ぎる。林真須美死刑囚の子どもの中で長男以外(女の子3人)は自分の身の上を隠して生きているとのこと。

犯罪者を擁護する気は無いけれど、犯罪者の子どもであっても基本的人権…特に就学保証はするべきだと思う。

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