先日、私が暮らしている貧乏長屋一帯で
「ちょっとした騒動」があったらしい。
↑らしい……というのは私が体験したのではなく家族から話を聞いたので。
長屋地帯のほぼ中央に位置する青空駐車場のフェンスに
見掛けない顔の黒いラブラドール・レトリバーの成犬が繋がれていて
なんとも言い知れぬ寂しげな声で鳴いていたのだとか。
状況的に見て、彼(オスなので彼と呼びます)は間違いなく捨て犬である。
彼は非常に躾の行き届いた毛並みの良い犬で
しかも、人懐っこくて、大切に養育されていたという形跡があり
それなのに腹ペコでドッグ・フードを与えるとガツガツ食べたのだとか。
貧乏長屋の住人達は「彼」の処遇について頭を抱えた。
警察に連絡するのは当然のことだが
しかし、警察で長期間、預かってもらうのはムツカシイし
かといって保健所に連れて行くには、しのびない。
しゃぁないから、とりあえず、うちに連れて帰るわ。
そう言って彼の身柄引受人になったのは
駅前で小さなスナックを営む、御年60歳になるマダムだった。
ちなみに、そのマダムも長屋の住人で
しかもマダムは癌闘病中のシベリアン・ハスキーのママンなのである。
狭い長屋の、狭い玄関先に、でっかい犬が2匹????
「犬を飼う」といっても、大型犬を飼うとなると
食費だって馬鹿にならないし、第一、散歩が大変である。
犬好き…動物好きの人間になら分かると思うのだけれど
動物を飼うというのは、ちょっとした覚悟が必要なのだ。
それなのに「しゃぁない」からって、どこの馬の骨とも分からない犬を
気前よく、勢いよく連れて帰っちまうだなんて。
格好イイよ……素敵過ぎるよマダム!
彼を捨てた飼い主に対して、怒りを感じない訳ではないのだけれど
まぁ、もう探しようもないだろうし
捕まえて文句の一つでも言える訳でもないので
その事については、置いといて。
人生もとい犬生、まんざら捨てたもんぢゃないなぁ~
……と思った(もちろん私が思ったのである。彼の心は分からない)
飼い主に捨てられて絶望の雄叫びを上げていただろう彼だが
心熱きマダムの元で、きっと幸せな犬生を送れるだろうと思う。
今日はなにやらPHP誌に出てきそうな「ちょっといい話」だなぁ。
↑自画自賛してみたがPHP誌だと、もっと上品な文章になるだろう。
新しい犬生を歩みだした彼の幸せを祈りつつ
今日の日記はこれにてオシマイ。
捨てられた「彼」と素敵な「マダム」
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