久世光彦

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嘘つき鳥 久世光彦 幻戯書房

今頃になって久世光彦のエッセイを読む事になるとは思ってもみなかった。久世光彦がこの世を去って10年以上経ってから、まだ読んでいない本を見つけるだなんて。どうやら没後に編集して出された本らしい。一応新作の体だけど久世光彦がお好きな方なら「あ。...
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犬に埋もれて 久世光彦 小学館

作者の愛犬の写真と、犬にまつわるエッセイ1冊にまとめた作品。「私はある日、犬に埋もれて死ぬだろう」という一文に、やられてしまった。実際、作者は犬に埋もれて亡くなったのだろう。この際「亡くなったのは病院では?」なんて野暮はいわないお約束。本当...
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曠吉の恋 昭和人情馬鹿物語 久世光彦 角川書店

やっと、久世光彦の作品から卒業出来ると安堵した。やっと、納得のいく作品に出会えたような気がする。もっとも『早く昔になればいい』とか『陛下』に並ぶほど面白かったとは言わないけれど、作者の年齢を考えれば充分過ぎるほどの仕上がりだと思う。 ...
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有栖川の朝 久世光彦 文藝春秋

いつだったか、ちょいと前にあった詐欺事件をモデルにした小説。皇室ゆかりの人間になりすまして、結婚式をしてご祝儀をちょろまかす……てな話。ちゃんと久世節に塗り替えられていたのだけれど、なんだか微妙な味わいだった。 作者には現代よりも「ち...
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渚にて On the beach 久世光彦 新潮社

久世氏の逝去に触発されて、手を付けていなかった作品を読んでみたりした。『十五少年漂流記』とか『蝿の王』と同じタイプの漂流記だった。それらの作品と違うのは少年だけでなく少女が含まれていたところだろう。映画『青い珊瑚礁』の集団バージョンと言うべ...
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雛の家 久世光彦 中央公論新社

人形屋に生まれた三姉妹の物語だった。設定的にはツボだったが、これっぽっちも面白くなかった。グイグイと読ませてくれる力もなくて、最後の方はあまり気が入らず「とりあえず最後まで読んだ」に過ぎない。残念である。 「三姉妹」という設定が失敗だ...
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へのへの夢路 久世光彦 筑摩書房

イマイチだった。私は作者のファンだが、この作品はいただけなかった。へたくそなエロ小説としか思えないほど、セックスの話しか出てこないのだ。竹久夢二が主人公なので、ある程度仕方が無いかとは思うのだが、それにしても酷すぎた。延々とセックスの話なの...
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陛下 久世光彦 新潮文庫

作者の書いた作品の中で2番目に好きな作品である。ちなみにナンバーワンは『早く昔になればいい』である。2つの作品の共通点は「静かに狂う女」と「男による一人称」であること。「狂う女」というのは作者がお気に入りのモチーフらしくて、他の作品にも多々...
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飲食男女 久世光彦 文藝春秋

『飲食男女』と書いて「おんじきなんにょ」と読ませるらしい。恋愛……というより男女の性愛にまつわるエッセイ集。エッセイというよりも短編小説といった趣だけど。エッセイに作り事を書いてはいけないとは思わないけれど、あまりにも作りすぎた話が多かった...
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蕭々館日録 久世光彦 中央公論新社

読むのにすごく手間取ってしまったけれど、じっくり読むのに相応しい1冊だった。大正から昭和にかけて活躍した文豪達が集う「蕭々館」は、本好きにはたまらない空間ではないかと思う。芥川龍之介だの、菊池寛だの、特別出演として6歳児の三島由紀夫なんかが...
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燃える頬 久世光彦 文藝春秋

私は、この人の書く文章のリズムが好きみたいだ。とりたてて面白いと思えるほどの作品ではなかっのたのに、ゆるゆると、ヌルイ水の中をたゆうとうているような……ただ文字と文章を追いかけているだけなのに「ツマラナイ」と思うことなく、ページを繰れる作家...
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蝶とヒットラー 久世光彦 ハルキ文庫

もう、随分前に読んだ作品なのだが、ふと読みたくなって再読してしまった。妖しげな12の店と、その店に係わる物と、その物に連なる話とを12個ばかり集めたエッセイ集である。本の装丁は紫色のグラデーションがベースになっているのだが、なるほど紫という...
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冬の女たち 久世光彦 新潮社

今の季節に読まなければ何時読むんだ? てな題名なので手に取ったエッセイ集。毎度お馴染みの「久世節」で、ネタ的には使い古されたものばかりだっが、それでも私は作者が、こだわっているモチーフが好きなので面白く読めた。「死」「女」「狂気」を描きなが...
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桃 久世光彦 新潮社

題名を一瞥してエッセイ集かと思ったのだが「桃」を題材にした短編を多目にあつめた短編集だった。なぜかしら「桃」という単語を読むと、いやらしい想像をしてしまうのは人としての性なのか、刷り込みなのかは微妙に疑問なところである。 時代的には、...