内海隆一郎

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地の蛍 内海隆一郎 徳間書店

戦時中、炭坑を開発するために東京を離れて地方にやってきた主人公と、彼を支える人達の物語だった。炭坑と言っても石炭ではなく「亜炭」の炭坑。この小説を読むまで、私は「亜炭」なんてものがあるのを知らなかった。亜炭は石炭より威力は劣るとのこと。資源...
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人々の坂道 内海隆一郎 彌生書店

うーむ。これはイマイチいただけなかった。ごく普通の人々の、ごく普通の生活を扱った短編集なのだけれど、なにげに上滑りで重松清を彷彿させるような感じだった。理屈の上では筋が通っているのだけれど「なんか違う」と思ってしまったのだ。説教臭さが漂って...
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大樹の下に 内海隆一郎 徳間書店

「結婚したい」と思ってしまった。こんな人となら所帯を持ってみたい。手鍋提げても嫁ぎたい……なんて思うほど主人公が格好よかったのだ。昭和黎明期が舞台の小説で、主人公は心正しくて腕っぷしの良い男だ。職業は俥夫。人力車を引くのがお仕事である。 ...
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魚の声 内海隆一郎 集英社

マイブーム内海隆一郎3冊目は短編集だった。『○○の声』という題名ばかりの短編集。たとえば『風の声』とか『祈る声』とか。じっさいの意味で使う「声」よりも、むしろ第六感とか、ムシの知らせとか言うような、ちょっぴり不思議な声が多かった。テーマとし...
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義兄弟エレジー 内海隆一郎 実業之日本社

ヤクザは嫌いだがヤクザ物語は好きだ。私はいわゆる「Vシネマ」ってのを観たことがないけれど「Vシネマ」ファンの気持ちは分かるような気がする。私も「極妻」とかは好きだし。戦争は嫌いだが戦争をベースにもってきた物語が好きなのと、ちょっと似ているか...
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大づち小づち 内海隆一郎 河出書房新社

ものすごく久しぶりに「安心して読める小説」に出会ったような気がする。「さぁ、私の腕に飛び込んでおいで」と言われて「じゃあ遠慮なく」と飛び込んでいったような感じ。もちろん、その懐は広くて深いのだ。こんなに安定感のある小説は最近、とんとん出会っ...